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これだけ意識!テロップ作りの基本

だれでも簡単にすてきな動画が作れるようになりました。

たびたび表現についてのテクニックや手法について悩んでいるお客さまから相談を寄せられます。

このブログでは、動画制作についての気付きやヒントになるような情報をお届けします。

現在の動画はテロップと切り離せないものであり、テレビ番組のように凝ったテロップ装飾が簡単につけられるアプリもあります。手軽にテロップが使えるようになった反面、テロップで表示した言葉そのものについて違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
社内で動画を作ることになったときにも、この記事で紹介する基本さえ抑えておけば、適切なテロップを手早く作ることができるようになり、作成時間が短縮できるはずです。◯分で読み切れるので、最後までお付き合いください。

この記事の内容

  1. テロップがしっくりとこない理由は「長い」から
    • 動画であつかう言葉について
    • 紙媒体やネットであつかわれる言葉との違い
  2. 動画で使う言葉はできるだけ短く、構造をシンプルに
    • どうしても残さなければならないものだけを残す
  3. テキストですべてを説明しようとするから垢抜けない
    • 言葉はあくまでパーツのひとつ
  4. まとめ

テロップがしっくりこない理由は「長い」から

わたしたちがテレビや人気YouTubeチャンネルで目にするようなテロップはプロの手によるものです。プロが作るとどこが違うのでしょうか。華やかなテロップ装飾はアマチュアでも作ることができるようになりましたから、そこにはあまり価値はありません。
プロの手によるテロップに違いが生まれるのは言葉の推敲があるからです。動画とかけあわせて効果を発揮するための言葉が推敲されています。
テロップに違和感を覚える場合は、推敲が足りていないのです。動画で使うテロップがしっくりこない理由はおおきくわけて2つあります。

  1. 適切な言葉を使用していない
  2. 使用している言葉が長すぎる

「適切な言葉を使用していない」が違和感の原因になることについては、動画であつかう言葉に限りません。なにかを説明するときには、事象にふさわしい言葉を選ぶ必要があります。いっぽう「使用している言葉が長すぎる」がテロップの完成度に大きく関わることについては、動画の特性と深くかかわりがあります。テロップを推敲するコツを学ぶためには、まず動画であつかう言葉の特長を知っておくと良いでしょう。

動画であつかう言葉について

動画であつかう言葉は、とにかく短くまとめることが求められます。短いことが良い理由は、動画にテンポをもたせて見る人を惹きつけるためです。言葉はテロップに限りません。目で見るテロップも耳で聞くコメントやナレーションも短くまとめて表現することによって、テンポ良い動画が生まれ、見ている人を飽きさせずに動画で伝えるべき大切な要素を印象付けます。
たとえば上の段落をナレーションに変換するとどうなるでしょうか。
「動画であつかう言葉は、とにかく短く。短ければテンポがでて見る人を惹きつけます。テロップだけでなくコメントやナレーションも短くまとめていれば飽きさせません。大切なことを印象付けます」
もっと短くできそうです。
「動画の言葉は短く。テロップもコメントも短くすれば飽きない。大切なことが残る」
さらに短くしてみましょう。
「言葉は短くすれば、大切なことが残る」
動画について語っているという共通認識があれば、最初の文章のようにいちいち「動画の言葉」と説明しなくてもよいですし、テロップやコメント・ナレーションについては画で触れていれば言葉に残す必要はありません。これが動画とかけあわせて言葉を推敲する過程です。動画であつかう言葉は書類で使う言葉と性質が異なります。

紙媒体やネットであつかわれる言葉との違い

紙の特性と動画の言葉の違い
ネットは近い 特にネットニュース ただ違いはここでもテキストのみで説明しなければ 短すぎるのも意味が伝わらない
いっぽう動画は…

書類に代表される紙媒体では文章ですべてを説明しなければなりません。そのため過不足なく誤解を招かないように、完全に仕上げる必要があります。「文章ですべてがわかる」これが紙媒体で扱われる言葉の特長です。対して動画では文章ですべてを表現しようとすると、かえってわかりにくくなってしまいます。想像してみてください。画面が文字でいっぱいの動画で理解は深まるでしょうか。ありがちな間違いがプレゼン用に作った文字だらけのスライドを動画にそのまま掲載するパターンです。発表者は正しい情報を載せているのだからわかってもらえるに違いないと考えたのでしょうが、視聴者からすればこまかい文字だらけの画面は理解しやすいとは思えません。しかしながら、同じものを資料として配布されれば、また違うでしょう。紙資料は読み返すことができるからです。
ここに紙媒体と動画の特長のおおきな違いがあります。紙は文章を読み返すことができるのに対して、動画は基本的に1回きりしか目を通すことがないのです。

近年ではネットを通して文字を読む機会も増えてきました。たとえばネットニュースで用いられる言葉は、紙媒体の言葉よりも動画寄りかもしれません。閲覧数が意味をもつため、興味をひくタイトルで記事に呼び込み、読者を飽きさせずに最後まで読み進めてもらわなければならないからです。多くの人に届くように端的にわかりやすい表現の言葉を選び、読者の興味を失わせない構成がとられています。ただネットの言葉も紙媒体と同じように文章ですべてを説明する必要があり、この点については視覚情報がほかにもある動画と違うところです。そのため動画の言葉より補完しなければならない部分が多く、従来の紙媒体で扱われていた文章ですべてを説明する言葉の変形と言えるでしょう。 

動画で使う言葉はできるだけ短く、構造をシンプルに

動画であつかう言葉の特長は、「紙媒体のように読み返せるものでもなければ、文章だけですべてを説明する必要もない」です。
これを踏まえて動画の言葉を作るとすると、以下の2点を意識すればよいことになります。

  • 読み返せないから、できるだけ短い言葉を使う
  • 文章だけで説明するものではないから、シンプルな文章を書く

慣れないうちは、本当にこれで成立するのかと不安になるかもしれません。まず何も考えずに書き出してみて、映像素材とあわせて推敲してみるのがおすすめです。日常的に動画を視聴することが多い人はコツを掴むのも早いようです。次に「短い言葉を使う」「シンプルな文章を書く」ための手順を紹介します。

どうしても残さなければならないものだけを残す

「どこを切ればよいのかわからない」言葉を短くといわれても、やったことがなければ戸惑うことでしょう。正しく説明するために書いた言葉ですから、すべてが大事な意味を持っていると感じるはずです。どれかひとつでも消してしまえば意味が伝わらないのではないかという不安もあります。
たとえばニュース番組でお天気リポーターが屋外から中継している様子をイメージしてみてください。
「今日はたいへん気温が高く1日じゅう晴天で、現在は32℃です」
リポートしながら、32℃を表示する温度計をカメラに向けます。
この映像で用いられる言葉、テキストは温度計が指し示した「32℃」だけですが、情報量は充分に保っています。天気の良い外の様子、暑そうなリポーター、リポートのコメントなどの要素がからみあうことで「32℃」だけで見ている人は内容を理解し、必要な情報を受け取ることができるのです。
「これだけあれば意味が通じる」ポイントを掘り出していく推敲が、動画の言葉を作ることにつながります。

テキストですべてを説明しようとするから垢抜けない

自分で動画を作ったときに、「なぜだかわからないけど素人っぽい印象だな」と感じる原因は、動画を構成している要素の過不足にあります。説明したいことに対して情報量が過剰すぎるか足りていないかです。足りていないことは気づきやすいのですが、過剰であることについては経験も必要になってきます。ひとくちに「過剰」といっても、過剰が求められるケースもあるからです。
通販で商品を買ってもらいたい場合、商品のメリットを紹介することはもちろんですが、商品の価格や購入方法についてはお客さまに必ず知っておいてもらいたい情報です。そのためにひとつの動画内で繰り返しアナウンスしたり、画面上に表示し続けることは有効です。これは必要な「過剰」です。逆に映像や出演者のコメント、ナレーションで説明して充分なところに言葉で同じ情報を挿入するのは、かえってわかりにくくしてしまう「過剰」です。ただ、これも経験して感覚を掴んでいくしかありません。昨今ではネットを通じて見られる動画の多くはミュート(無音)で見られることも多く、意図のある「過剰」は有効であるからです。
それでもまどろっこしく冗長的な文章は動画では好まれず、必要最低限をこころがけて言葉を端的な表現にブラッシュアップすべきです。見ている人たちが「いちいち説明しなくてもわかるよ」と感じてしまうようでは興味を失い、視聴をやめてしまうかもしれません。文章言葉ですべてを説明しようとすれば全体的に垢抜けない、素人っぽい印象を与え、そのことが「たいした内容の動画ではないのでは」と視聴者に疑念を抱かせるきっかけを与える可能性があります。

言葉はあくまでパーツのひとつ

ここまで動画であつかう言葉の特長を紹介してきました。動画の言葉は、時間とともに流れていくという動画の特長に沿って作られます。基本的に一度しか目にしないものであるからこそ、言葉は短く刈り込まれる必要があり、そのことがわかりやすさと視聴者の興味をつなぎとめることにつながります。また動画の言葉はそれだけ単体で完結させるものではありません。動画内には映像や音声など他の要素があり、それらと絡み合わせることで動画は成立します。言葉はあくまでもひとつのパーツであることを意識すれば、言葉を推敲するひとつの指針になるはずです。
社内で動画担当になりわかりやすい動画を作ろうと意気込んだものの、出来上がりに違和感を覚えた人はぜひテロップを見直してみてください。ふだん作成されている書類の文書とはあきらかに異質なものであり、留意すべきポイントやルールが別物であることがわかっていただけたはずです。テロップ表現については、まだ語るべきことがたくさんありますが、また別の記事でご紹介できればと思います。本記事が動画制作の役に立つことができれば幸いです。

まとめ

  • 動画であつかう言葉は一度しか見られないものとして、短く端的に表現する
  • テロップはどうしても残さなければならない要素にしぼり、文章はシンプルな構造で書く
  • 言葉はあくまでもパーツのひとつ、テロップは映像や音声と絡ませることを意識する

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